南国太陽のお漬物豆知識

仏手柑ってどんな果物?

シトロン〜ミカン科 レモン&ライムの祖先〜

インドのガンジス河上流地域の原産で、柑橘類の中で最も古くヨーロッパに伝えられた。ギリシャ・ローマ時代から栽培され、紀元前三〜二世紀にはイタリアに伝わり、今でもシチリア、コルシカ、ギリシャ地域が栽培の中心地。中国にも、これと相前後して伝わったと思われる。

高さ二〜三メートルの比較的小さな木で、亜熱帯や熱帯では四季に開花し、年中結実する。大きさはさまざまで、百グラム〜一キログラムに達するものもある。

果皮が極めて厚く、芳香を持つ。果汁が少なく、生食はできない。主な用途は、果皮を砂糖漬にして菓子の材料にするか、または果実酒にして特有の芳香を楽しむ。

シトロンの近縁に、マルブシュカンがあり、昔からインド、中国、日本南部で栽培されており、レモンの形をしていて甘味も酸味も強い。また、シトロンの変種にブシュカンがあり、日本には江戸時代に渡来し、西日本の各地でごくわずか栽培されている。

仏手柑〜ミカン科 仏の手から発散する神秘的な香りが魅力〜

ブシュカンとは文字どおり仏様の手を意味するミカンの意。太古から釈迦ゆかりのインド原産といわれ、レモン、シトロンとは親戚筋。名は体を表すというが、まさに金色燦然たる御体に二十七の顔と四十二本の手をもった千手観音を彷彿させる形。しかも御体からは香木である沈香と栴壇との粉末から作る抹香(焼香に使われる)のかぐわしさがただよい、そのえもいわれぬ香りを楽しむ果物である。ただこの果物には果汁も果肉もなく、正月の床飾りや活花によく飾られる。

ブシュカンの芳香を楽しむ飲料としては、趣味の果実酒としてブシュカン酒、手のように下がった果実部分を輪切りにして熱湯や茶を注いでたしなむブシュカン湯など、風流な飲み方がある。また、ザボン漬のように砂糖煮にしたブシュカン漬(砂糖菓子)は京都の銘菓として知られる。インド、タイその他アジアの仏教国では、ブシュカンの季節になると必ずといっていいほどお供物として捧げられる。これは仏に献上する香の用法からであろう。

「図説世界のくだもの366日辞典」から

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ブシュカンはポリフェノールたっぷり

ブシュカン漬けとハンダマにポリフェノール

奄美の高長寿地域特有の食材を栄養学的に分析し、普及・活用を図る「あまみ長寿食材活用事業」で、分析結果の中間発表がこのほど発表された。これまで成分値が未解析だった食材のうち、ブシュカン漬けとハンダマには動脈硬化やガンの予防効果があるとされるポリフェノールが豊富に含まれ、ハブ肉はカルシューム、豚骨はたんぱく質、葉ニンニクはビタミンCの含有量に優れていることがわかった。県は今年度、長寿食材を活用したメニュー・商品開発など各種事業を推進する。

事業は「あまみ長寿・子宝プロジェクト」の一環で、実施期間は2004年度から2年間。成分分析は奄美高長寿地域で摂取傾向が強い食材や今後の有効活用が期待される食材のうち、詳しい栄養価など機能性成分が未発表だった27食材を対象に、(社)鹿児島県薬剤師会試験センターなどに委託して実施した。

中間発表ではこのうち10食材の成分値が明らかになった。豚骨は牛バラに比べ、たんぱく質が4.4倍、ビタミンB1が9.8倍と高栄養価。ハブ肉にはカルシウムが豚肉の198倍、亜鉛が鶏肉の2.6倍含まれていた。

ブシュカン漬けは100グラム中のポリフェノール量が486mgでリンゴの8.8倍、ハンダマも同108mgを含有。葉ニンニクはビタミンCがニラの1.7倍ポリフェノールも67mg検出された。

このほか成分値が発表済だった食材では、アオサはマグネシウムがひじきの5.2倍、パパイヤはビタミンCがミカンの1.4倍、パッションフルーツはビタミンAがリンゴの60倍、黒砂糖はカルシウムが上白糖の240倍含まれていた。

平成17年4月3日 大島新聞より抜粋

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ポリフェノールの説明

ポリフェノールは、フラボノール、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなどの植物が光合成を行うときにできる物質の総称です。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに成分として含まれており、植物自身が生きるために持っている物質ですが、人のからだの中に入っても、抗酸化物として有効に働くことが明らかになっています。

ポリフェノールの効用は、体内に摂取、蓄積された悪玉のLDLコレステロールの酸化を阻害し、高血圧、動脈硬化および動脈硬化を原因とした脳血管障害、心臓病などを予防することです。また、ポリフェノールは多くの種類がありますが、特にお茶に含まれるポリフェノールについては、胃ガンの抑制に高い評価をあげることが認められています。

さらに、ポリフェノールはO-157にも効く優れた抗菌作用、抗腫瘍作用、虫歯菌の増殖を抑える作用、血糖値を下げて糖尿病を予防する作用なども報告されています。

ポリフェノール入りのガムやチョコレートが特定保健用食品として販売されています。

摂取量は特に定めらていませんが緑茶を例に取った場合、LDLの酸化防止、ガン予防にポリフェノールの有効な1日の目安量は、濃い目に入れたものを湯のみに7〜10杯といわれています。

ポリフェノール食品の代表ともいえる赤ワインには、タンイン、カテキン、ケルセチン、シンプルフェノール、アントシアニン、フラボノールなどのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールにはブドウの果皮や種子に多いため、果皮を除いて作られる白ワインでは期待薄です。

ポリフェノールの効果があると思われるもの

抗酸化作用、虫歯予防、糖尿病、ガン(癌)、動脈硬化、高血圧

ポリフェノールが含まれる食品例

ココア、さつまいも、山芋、ごぼう、シシトウガラシ、ブドウ、甜茶、ヤーコン、桑の葉

ポリフェノールの摂取量とポリフェノールの多い食品

ポリフェノールの中でも最も一般的なフラボノイドの摂取量は、平均的な人で200−300mg、多い人で800−1000mgと言われ、血中への吸収率が高いことが特徴です。

ポリフェノールは、チョコレートやココア(カカオ豆)には非常に多く含まれ、3000mg/100gを超える製菓ブランドもあります。

野菜や果物の総ポリフェノール量は平均で100g当り50mg、緑茶(煎茶)では205mg/100ml位が含まれています。通称カカオポリフェノール(クロバミド類及びケルセチン類)、緑茶ポリフェノール(カテキン類)、ブドウポリフェノール(アントシアニン類)などと呼ばれる成分は、含有する食品の名前をそのまま付けた商品名であり、正式な名称ではありません。

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野菜パパイヤ(青パパイヤ)について

パパイヤには、皮膚や粘膜の健康維持を助けると共に、抗酸化作用を持つ栄養素であるビタミンCが豊富で、しかも普通の野菜だと加熱で減ってしまうビタミンCが、火を通してもほとんど変わらずに残っていますので、美容や健康にもおすすめの野菜です。

パパイヤには消化酵素(パパイン)をはじめ、ビタミンA,C,カリウム、カルシウム、カロチン、鉄分などのミネラルが豊富に含まれており、以下の効果が期待できます。

モッカ(乾燥パパイヤ)について

奄美では「モッカ」は女性のおっぱいの形を表します。パパイヤから出る白い液体が母乳を思わせることからこの呼び名がついたといわれています。

パパイヤを乾燥させることにより水分が蒸発し生のパパイヤに比べて以下の成分が多く含まれています

ミネラル含有量(mg/100g中)
 乾燥パパイヤ生パパイヤ
カルシウム620mg40mg
リン350mg19mg
2.3mg0.3mg
カリウム3,000mg210mg
ビタミンC300mg35mg

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